何年も睡眠薬を飲み続けているのに、一向に治らない…
あなたも、睡眠障害で悩まれて心療内科へ行き、睡眠薬や睡眠導入剤を処方された事があると思います。
最初は薬を飲むと眠れるようになるため、とてもホッとされたと思います。
薬を上手に使って眠れる分には全く問題ないと思いますが、中々症状が改善されず、数年(もしくは数十年)に渡って薬を飲み続けていると、
「これだけ薬を飲み続けているのに、どうして治らないの…?」
と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。
今回は、どうして睡眠薬を飲んでも治らないかのお話です。
睡眠薬を飲んでも治らない理由とは?
睡眠薬や抗不安薬を飲んでいても、症状が良くなるのは最初だけで、効果は少しずつ弱くなっていきますよね。
医師に聞いても、
「不眠症は時間がかかる。」
「焦らずゆっくり治療していきましょう。」
「一生飲み続けても安全な薬ですから。」
といった返事が返って来る事も多いと思います。
でも、ここで大切なのは、
睡眠薬は不眠の治療薬ではない
という事。
睡眠薬の作用とは
ちょっとびっくりされたかもしれませんが、睡眠薬は、頭の中の興奮を抑える物質をたくさん放出させて睡眠に誘うというもの。
眠れる体質に身体を変化させるものではなくて、とりあえず寝かせようというものです。
その為、「一定期間飲み続けたら、いずれ薬無しで眠れるようになる」というものではありません。
時には「とりあえず寝る」事も必要な場面もありますが、睡眠薬を常用してしまうと、実は身体はどんどん眠れないようになっていきます。
その理由として、
- 身体が薬の力に頼るようになってしまい、薬を飲まないと興奮を抑える物質が出づらくなってしまうから
- 脳は、過剰に出ている物質を制限しようとするから
- 精神的に依存してしまうから
などがあります。
薬の効果が認められているのは飲み始めて4週間前後と分かっています。
最初は効果があったとしても、一定期間以上飲み続けると、今度は副作用や離脱作用のリスクが上がっていきます。
睡眠薬の副作用・離脱症状として、不眠、不安、焦り、動悸、まぶたの痙攣、息苦しさなどがあり、他にも様々な症状が出て来ます。
睡眠薬を飲む事よりも大切な事
睡眠薬は不眠を治す為のものでないので、何年も飲み続けたところで、薬の力で眠れるようになるのは難しいです。
これは、睡眠薬を否定しているのではなく、元々目的が違うとものだという事です。
もしあなたが、元々興奮したりイライラしやすい性格だったり細かい事が気になる性格なのであれば、その性格を薬で無理やり抑え込むのでなく、
「どうしたらその性格を、普段の生活に支障のない程度まで落ち着かせる事が出来るのか?」
と考えていく方が、長い目で見ると効果的です。
認知行動療法、呼吸法、ヨガ、整体、漢方、食事、運動
あなた自身が変わる事で、症状を改善させる方法がたくさんあります。
薬に頼り切るのではなく、自分自身の身体の声を聴く事が、とても大切な事だと思います。