「熟眠を促すホルモン」メラトニンを増やす効果的な5つの方法

あなたは、メラトニンという物質をご存知でしょうか?

「睡眠促進ホルモン」「眠気を出すホルモン」と色々と言われていますが、このホルモンが脳で分泌される事で、私たちはより良い睡眠を取る事が出来ます。

今回はそのメラトニンを効果的に増やす5つの方法をお伝えします。

そもそも、メラトニンって?

まずは、メラトニンの説明から。

メラトニンは脳の「松果体」という部分から分泌されるホルモンで、夕方から夜にかけて「寝る準備が整った。」という信号を全身に送り、睡眠を促す作用を持っています。

メラトニン自体には睡眠を誘発する作用はないのですが、脈拍や血圧、体温などを下げて眠りに最適な状態を作る作用がある為、「熟睡を促すホルモン」である事には間違いなさそうです。

脈拍や血圧、体温などを下げる=自律神経とも深い関わりを持つとも言えるので、メラトニンを規則正しく分泌させる事で、睡眠だけでなく日常生活全般に良い影響が出てきそうです。

また、抗酸化作用もあると言われていて、ホルモンバランスも改善させる効果もあるとの報告もある為、私たちの健康に大きく影響を及ぼしています。

 

 

どうやって増えるの?分泌されるのはいつ?

メラトニンは、身体が光を感じている昼間の時間帯は分泌が抑制されていて、夕方頃になると分泌量が増え始め、夜中の2〜3時頃に分泌がピークになります。

つまり、基本的には光をたくさん浴びている時にはほとんど分泌されません。

その代わり、日中に光をたくさん浴びる事で夕方以降に分泌量が増えていくのです。

日中に光をたくさん浴びると夕方以降にたくさん分泌されるが、夕方以降もずっと光に当たっていると分泌が抑制されてしまう。

と言えます。

夜寝る前のテレビやスマホが睡眠に良くないと言われている理由の一つには、メラトニンの分泌抑制も関わっていたんですね。

メラトニンの生成・分泌には食べ物やストレスなどとも関係しますが、まずは日中に光をたくさん浴びる事が大切と言われています。

 

メラトニンは、太陽光を浴びる事で分泌される

夕方に分泌されるメラトニンの量は、日中浴びた太陽の光の量に依存されると言われています。

朝の早い時間帯に太陽光を浴びる事でメラトニンの分泌がストップされます。

その為、日中の眠気が抑制されて活動的な1日を過ごす事が出来ます。

また、午前中に太陽を浴びる事で、その日の夕方頃にまたメラトニンが分泌されるようになる為、規則的なリズムを作るのには欠かせません。

太陽光の浴び方は?

とは言っても、何時間も太陽光を浴びる必要はありません。

基本的な浴び方としては、

  1. 起床後の2時間以内
  2. 出来れば屋外で
  3. 顔と両手の甲が出ていればOK
  4. 夏の昼間で数分程度、冬だと20〜30分程度

で大丈夫です。

これだと、人によっては朝の通勤時間帯で補えるかもしれませんね。

大切なのは起床後2時間というところと、必ず屋外でというところ。

私たちの体内時計は自然のリズムの概日リズムよりも1時間程度長いと言われている為、この体内時計を早い内にリセットする事が大切。その方法として、起床後2時間以内に太陽光を浴びる事で体内時計をリセットする事で出来ると言われている為、なるべく早めに太陽光を浴びる事が大切です。

また、ガラスは紫外線の透過率を下げてしまう為、なるべくならオフィスに着いてからでなく、意識して外で浴びるようにしてみてください。

 

食べ物でも補えます

メラトニンはトリプトファンというアミノ酸から作られます。

このトリプトファンは必須アミノ酸の為、外から栄養素として取り入れない限り合成する事ができません。

トリプトファンは大豆製品、乳製品、ひよこ豆、海藻類、卵白、かぼちゃの種などに多く含まれています。

また、トリプトファンの特徴として、

  1. 動物性のアミノ酸と一緒に摂ると、それらのアミノ酸に追いやられて脳へ到達しない可能性がある
  2. たんぱく質と一緒に摂ると血中濃度が上がる

と言われている為、たんぱく質と一緒に摂るのがおすすめです。

(ひよこ豆入りのカレーライスや、海藻類を使ったお味噌汁とご飯、卵かけごはんなどでしょうか…。。)

ただし、動物性のアミノ酸でも、ビタミンB6と一緒に摂ると脳内のトリプトファンの合成が促進されると言われている為、バランス良く食べれば問題ありません。

(ビタミンB6が多いとされている食べ物には、にんにく、酒粕、まぐろ・かつお・さんまなどの魚、などがあります。)

運動も効果的

ウォーキングや呼吸法、水泳などのリズムに合わせて行う運動は、メラトニンの分泌を促進させると言われています。

ただし、意識が散漫な状態ではなく、「今、自分はリズム運動をしている」という事を意識して行う事でよりメラトニンが活性化されるようです。

 

 

メラトニンとストレスとの関係

メラトニンの分泌はストレスとも関わっています。

と言うのも、メラトニンはストレスホルモンと呼ばれている「コルチゾール」とシーソーの関係にあると言われているからです。

「ストレスホルモン」と言うと少し悪者のように聞こえますが、コルチゾールは私たちが日中活動的に働く為に必要な物質です。

コルチゾールがある事で私たちはシャキッと目を覚ます事が出来て、頭もしっかり働く事が出来るのです。

コルチゾールがたくさん分泌されている時には、メラトニンの分泌は抑制されています。

つまり、夜までストレスがかかるような事をしていたり、興奮するような事をしていると、メラトニンの分泌が促進されずに、いつまで経っても眠気は来ません。

「疲れているのに眠れない」

というのは、このコルチゾールが夜までずっと働きっぱなしなのが原因と考えられています。

 

サプリメントや薬もあります

サプリメントについて

アメリカでは栄養補助食品・サプリとして認可されていますが、日本ではまだ認可されていない為、入手する際は個人輸入をする必要があります。

 

薬について

睡眠薬で、「ロゼレム」というお薬があります。

ロゼレムは2010年に日本でも承認されたお薬で、脳内のメラトニン受容体に働きかける事で、睡眠を促進させる効果があると言われています。

効果は人それぞれのようですが、薬に抵抗がなければこういった方法も良いかもしれません。

ただし、副作用としてめまいやふらつき、不眠、胃腸障害などの報告があります。

また、メラトニン自体には「性腺抑制作用」もあって、過度に分泌されてしまうと、生殖腺の発達と成長を止めてしまう作用もあり、多く摂取してしまうと女性の生理を止めてしまうという作用もある為、サプリメントや薬でメラトニンを増やそうとする場合には注意が必要です。

まとめ

 

如何だったでしょうか?

意外と規則正しい生活をしていれば、そこまで特別な事はしなくてもメラトニンは分泌されるというのが個人的な感想です。

「意識して植物性タンパク質をバランス良く摂るようにして、天気の良い日に外で太陽光を浴びて過ごし、夜はあまり光を浴びずにリラックスして過ごす」事が出来れば、メラトニンの分泌には問題なさそうですね。

ただし、夜寝る前のお酒やテレビ、スマホなどで睡眠のリズムは簡単に狂ってしまいますのでご注意ください。

また、『夜勤などでどうしても太陽光を浴びれない・夜眠れない』という方はまた別の施策が必要になるかもしれません…。

睡眠のリズムが崩れて、「夜眠気が来ない。」「中々寝付けない」「最近、睡眠が浅い」と感じられている方は、是非参考にされてみてください。

 

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