薬局で買える睡眠改善薬。その効果と注意点は?

あなたは、薬局などでも睡眠を助けると言われているお薬が、「睡眠改善薬」として市販されているのをご存知ですか?

睡眠障害にお悩みの方で、睡眠薬や抗不安薬を飲むのは不安だけど、「睡眠改善薬」なら試してみても良いかな?

と思われている方もいると思います。

今回はその効果と注意点について説明したいと思います。

睡眠改善薬、元々は…

この睡眠改善薬、本来はアレルギー性鼻炎やじんましんなどのアレルギーによって出てくる症状を抑える薬として使われていました。

アレルギーの薬の中には、眠気が副作用として出てくるものもあります。

アレルギーの薬を飲んでいて、眠気を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。

睡眠改善薬は、元々は副作用として出てくる眠気を主作用として販売し直したものなんです。

睡眠改善薬は、覚醒系の神経伝達物質であるヒスタミンの働きを阻害する事で、眠気を誘発すると言われています。

ヒスタミンは、アレルギー反応や炎症反応の元となるタンパク質です。

 

睡眠改善薬のその効果は?

この睡眠改善薬の、プラセボ(偽薬)と比較した実験があります。

その結果は、プラセボ群と比較して

  • 寝つきの改善(主観を含む)
  • 総睡眠時間と睡眠効率の改善
  • 深い睡眠時間の増加

が見られたようです。

覚醒機能を低下されるだけあって、その効果はしっかりあるようです。

 

睡眠改善薬の問題点は…

睡眠改善薬、薬局で手軽に買えるし効果もある。

なら問題なく飲んだ方が良いのでは?

と思いますよね。

でも、注意点が結構あるんです。

その注意点はと言うと…

  • 数日で耐性がつく(すぐに効かなくなる)
  • 副作用がかなりある(倦怠感、ふらつき、めまい、鎮静、生死ぬんどう機能障害、食欲増加、排尿困難、便秘、記憶障害、低血圧など)
  • 服用量の安全域が狭い

この服用量の安全域が狭いというのは、過量服用によって様々な症状が出てしまうというもの。

ドリエルなどは、1日の服用量が2錠で50mgですが、耐性がついて効きが弱くなった場合などに、たくさん飲んでしまうと、副作用以外の重い症状が出てしまいます。

その症状が…

  • 300mg以上で幻覚
  • 500mg以上で興奮や心電図異常
  • 1000mg以上でせん妄、けいれん、昏睡

などがみられる事がわかっています。

 

「市販薬=安全」ではない

ドリエルは錠剤が多いもので1箱12錠(300mg)なので、1000mgを一度に飲む事はほぼないかと思います。

ですが、

 

手に入りやすい=体への安全性も高い

 

というものではないのは事実です。

市販の睡眠改善薬は1・2日の一時的な不眠に対してのみであれば、飲んでも良いかと思いますが、もし効果がない場合は他の方法(認知行動療法や服薬、専門家へ相談など)を試す事が大切です。

市販の睡眠改善薬だけでなく、処方される睡眠薬にも副作用や常用量依存といったリスクもあります。

使用される際にはご自身で注意点を確認してみてください。

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