アルコールは睡眠に悪い。その3つの理由とは
あなたも、お酒は睡眠に良くないと聞いたことがあると思います。
睡眠の特集記事やテレビ番組を観ると、必ずと言って良いほど言われていますよね。
でも、実際お酒を飲むと眠気が出て来るし、実際に寝酒として飲まれる方も多いのではないかと思います。
今回は、なぜお酒が睡眠に良くないか、その理由を3つお伝えします。
もし、あなたが寝酒を習慣にされていたり、あなたの周りに寝酒を習慣にされてる方がいるのなら、ぜひ参考にされてみてください。
①アルコールはレム睡眠を増加させる
お酒を飲んでアルコール成分が血中に流れ込むと、確かに入眠はしやすくなります。
これは、アルコールの鎮静・催眠作用によるものです。
寝つきが悪い時、短期的に飲用するのは必ずしも悪いとは言えませんが、アルコールはすぐに代謝されてしまう為、お酒を飲んだその日の睡眠全体の質が落ちてしまいます。
また、アルコールにはレム睡眠を抑制する作用があります。
※睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠に分かれていて、レム睡眠は比較的浅い睡眠です。私たちが夢を見ているのもレム睡眠の間と言われています。
浅い睡眠が減るなら良いと思われるかもしれませんが、それはアルコールが作用している時間帯だけなんです。
アルコールが作用している睡眠の前半にはレム睡眠が出現せず抑えられていますが、アルコールが代謝・分解されると、前半で抑制されていたレム睡眠が反跳的に増加します。
この現象が原因で、睡眠の後半は浅い睡眠が続いたり、断続的に目が覚めたりして、全体的な睡眠の質は低下します。
睡眠のリズムは、90分周期で深くなったり浅くなったりするという話は、聞いた事があると思います。
アルコールを飲む事で、こういった生理的な睡眠のリズムを乱れさせてしまいます。
②交感神経の活動が活発になる
アルコールの血中濃度が低下していくと、睡眠が浅くなり中途覚醒が増え、交感神経の活動が高まっていきます。
その影響で頻脈や寝汗などが現れ、睡眠の質を低下させてしまいます。
③アルコール依存症の入り口になる
アルコールを飲んで入眠する事が習慣になると、「アルコールを飲んだから、今日も良く眠れる。」という自己暗示をかける事が出来るので、一時的に眠れない状態が続いている時には有効かもしれません。
ただ、アルコールを連用していると、容易に耐性が出来てしまい同じ量では寝付けなくなってしまうため、徐々に使用量が増加していきます。
気づかないうちに過剰摂取となり、アルコール依存症に陥ってしまうきっかけになってしまう事もあるようです。
寝る前のアルコールが習慣になっている方は、以下の項目に目を通してみてください。(CAGEテスト)
1項目当てはまればアルコール問題の存在があると言われていて、2項目当てはまればアルコール依存症が疑われます。
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アルコール依存症になると、深い睡眠のノンレム睡眠はほとんど出現しなくなり、中途覚醒や体動が頻繁に起こり、睡眠が細かく分断されます。
かと言って一度依存症になってしまうと、途中で突然断酒をすると強い不眠傾向に陥り、振戦、発汗、幻覚、痙攣発作や意識障害などの離脱症状が出てきます。
寝つきを良くする為とは言え、アルコールの摂取は控えた方が良さそうです。
睡眠薬を飲んでいるなら、さらに要注意
睡眠の問題が気になって、医師へ相談に行かれた方もいるかもしれません。
現在日本では、医療機関で睡眠の問題を訴えるとほぼ間違いなく睡眠導入剤か睡眠薬が処方されます。
もしあなたが、今睡眠導入剤や睡眠薬を飲んでいる場合、寝る前の飲酒の習慣は必ずやめなくてはいけません。
睡眠薬を飲んでいる方がアルコールを飲むと
・薬の作用が強まる
・薬の副作用(記憶障害、ふらつき、尿失禁など)が強く出る
・交差耐性(アルコールに対する耐性がつくと、睡眠薬に対する耐性もついてしまう事)が生じる
などのリスクが高まります。
もしあなたが睡眠の問題を薬で解決しようとしている場合、アルコールは口にしてはいけません。
ここまで、なぜアルコールが睡眠に良くないのかを、理由を挙げて説明していきました。
飲酒はストレス発散になるので、ストレスを抱えたまま寝るのとお酒でストレスを忘れて寝るのとでは、どちらが良いかは一概には言えません。
ただ、こういった知識を身につけておくと、また違う選択肢も見えてくるのではないかと思います。(他のストレス発散方法を見つける。飲酒の量や頻度を制限する等)
あなたの健康と、睡眠の質の向上にお役に立てたら嬉しいです。