眠れているのに眠れていない?? 逆説性不眠ってなんだ

当院では、不眠障害のある方をメインに治療を行なっています。

不眠障害の原因は、主にストレスや悩み事が過剰に多かったり、生活リズムが乱れている事だったりが多いのですが、中には「本当は眠れているのに、眠れている自覚がなく苦しんでいる。」という方もいらっしゃいます。

家族からお話を聞いたり、睡眠の検査などをすると十分な睡眠は取れていそうなのに、本人は眠れている自覚がないから、「毎日一睡も出来ずに、ずっと苦しい」という状態です。

こう言った、「他覚所見では睡眠に全く問題がないのに、眠れている自覚が全くない不眠障害」を逆説性不眠と呼ばれています。
他覚所見と自覚症状が逆だから、こういった名称がついています。

この逆説性不眠の原因は分かっていません。
割合で言うと、不眠障害の6~7%程度と言われていますが、決して軽視出来ないものだと思います。

「認知の歪み」が原因の多くを占めていると考えられる為、むやみに睡眠薬を処方したところで治療にはならないからです。

当院にも、治療をして客観的には眠れるようになってきているのに、本人の自覚としては「自分は不眠症だ。」という認知が根強く残っていて、その事が頭から離れられなくなっている方もいらっしゃいます。

本人はウソをついている訳でもないし、苦しんでいるのは事実なので、ここで「検査では異常もないし、見た目としても眠れているようなので問題ないですよ。」と伝えたところで、なんの解決にもなりません。

こういったケースの場合、大切なのは、眠れているかどうかよりも、どういった気持ちで本人がその訴えをしているかという部分です。

検査では1日6時間寝ていても「全然眠れない。一睡も出来なかった。」と本人が訴えていたら、治療をしていく必要があるという事です。
逆に、睡眠時間は1日2時間でも、本人が辛いと思っていなければそれは不眠障害とは呼びません。

東洋医学では、検査で異常がない場合でも、患者さんの訴えを主に考えて治療を行なっていきます。

この逆説性不眠の治療はとっても難しいですが、まず一番大切なのは、本人の「眠れない」という訴えを否定せずに逆説性不眠の存在を伝えた上で、(ここが一番難しいところなのですが、)「なぜ眠れない(と思い込んでしまっている)のか?」を一緒に考えて認知行動療法を交えて鍼灸などの非薬物療法をメインに治療していく事で、少しずつ本人に「眠れている」という自覚を取り戻させていく事が大切になっていきます。

もしあなたの周りに、こういった逆説性不眠が疑われる方がいらっしゃった場合、無理に薬を勧めるのではなく、どうしてそういう訴えをしているのか?を一緒に寄り添って考えていく姿勢が大切になっていくのではと思います。

 

 

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