認知行動療法は、信用できない?

「認知行動療法とかマインドフルネスを、本を読んで試してはみたけど、私には合わなかったみたいでした。」

という言葉を、患者さんから聞く事があります。

あなたも、「最近良く目にするし、興味はあって試してみたけど中々効果を実感出来なかった。」という事があるかもしれません。

 

 

認知行動療法は、効果が感じづらくてじれったい?

気分の悪さや落ち込みを常に感じているあなたにとっては、瞑想やマインドフルネス、認知行動療法は全くと言っていいほど効果がないように感じるかもしれません。

そんなあなたにとっては、薬で落ち込みや不安感を取り除くのが、一番手っ取り早く効果的であると感じるますよね。

でも、薬を飲んで一時的に気分が良くなったとしても、あなたの労働環境や経済状況が変わっている訳ではありませんよね?

また、薬を飲まなかったとしても、「なんか今日は調子が良いな。」と感じる事もありますよね。

あなたが、「今のこんなに落ち込みが強いのは、今の状況のせいだ。だから、仕方ないんだ。」と考えているのであれば、その日や時間帯によって気分が良くなったり悪くなったりするのはなんとなく不思議ですよね。

実際には、朝起きてから夜寝るまで、あなたの気分が常に落ち込みっぱなしになる事って、ほとんどありません。

薬を飲むと気分が良くなったり落ち込みが減るという事は、あなたのその落ち込みはあなたを取り巻く環境が一番の原因ではない。という事が言えると思います。

つまり、自分を取り巻く環境のストレスで不安感や気分の落ち込みが出たはずなのに、そのストレス自体は変わっていないのに薬を飲むと気分が軽くなるという事は、あなたの気分の悪さは必ずしも環境だけの問題ではないという事です。

ここで、「自分を取り巻く環境」と「気分の落ち込み」を分けて考える必要があります。

 

環境をどう捉えるか

同じような環境下に置かれていても、ストレスを感じる場合と感じない場合は、人それぞれ違いますもんね。同じ人でも、その時の気分で感じ方はまた違います。

認知行動療法やマインドフルネスは、その事を気付かせてくれるきっかけのようなもので、その気付きを得られるタイミングは人によって様々です。すぐに効果を感じる場合もあれば、年単位かかる場合もあります。

一時的にでも薬で気分を良くしていく一方で、「あなた自身の気分をコントロールする力や気付きの機会」を増やしていく必要があります。

これは、「落ち込みや気分の悪さは気の持ちよう」という話をしているのではなくて、辛い症状をどうやったら軽減させる事が出来るか?という疑問の答えは、あなた自身しか持っていないという事なんです。きっとあなた自身も、ご自身の働き方や人との付き合い方、生活習慣などでもう少し改善するべき所があったのでは?と思い当たる節があるのではと思います。

 

即効性では薬に勝てないが…

薬は一時的にはとても有効です。でも、それは主治医が減薬や断薬を計画的に考えて処方してくれる場合に限ります。また根本的な解決にはならないので、自分の気分をある程度コントロール出来るようにするトレーニングは続けていって、その悪い気分に反応しないようにしていく必要があります。

最近、「私はなるべく薬を処方しません。」という心療内科医の話を良く耳にするので、西洋医学でも薬だけでは根本的な解決にはならないと思い始めているのかもしれません。

確かに認知行動療法やマインドフルネスは急には変化は起こらないかもしれませんが、多忙な現代社会を乗り越えていく上で大切な考え方や行動になると思いますので、効果の有無に関わらずまずは続けていってみていただけたらと思います。

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